【HALCON】vector_to_rigid 関数について - ベクトルからリジッド変換行列の計算

HALCONのvector_to_rigid関数は、3D空間での回転ベクトルと並進ベクトルを基にリジッド変換行列（Rigid Transformation Matrix）を計算するための関数です。リジッド変換とは、オブジェクトの形状を維持しながら、回転および平行移動だけを行う変換を指し、画像処理や3Dビジョンにおいて、オブジェクトの位置合わせや回転・移動を精密に行う際に使用されます。

vector_to_rigid 関数の概要

vector_to_rigid関数は、オブジェクトや画像に対して、3D空間での回転と平行移動を実現するリジッド変換行列を計算します。リジッド変換では、オブジェクトの形状は変わらず、位置と向きのみが変化します。これにより、正確な位置合わせや回転が可能になります。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

vector_to_rigid(Row1, Col1, Angle, Row2, Col2, HomMat2D)

• Row1, Col1
  変換前のポイントの行と列座標。
• Angle
  変換で適用される回転角度。
• Row2, Col2
  変換後のポイントの行と列座標。
• HomMat2D
  計算されたリジッド変換行列を格納する変数。

この関数を使って、指定された座標や角度に基づき、リジッド変換行列が計算され、HomMat2Dに出力されます。

具体例

以下に、vector_to_rigid関数を使用してリジッド変換行列を計算する例を示します。

* 元の座標
Row1 := 100
Col1 := 100

* 変換後の座標と回転角度
Row2 := 200
Col2 := 200
Angle := 45

* リジッド変換行列を計算
vector_to_rigid(Row1, Col1, Angle, Row2, Col2, HomMat2D)

* 結果の変換行列を表示
disp_message(WindowHandle, 'Rigid Transformation Matrix: ' + HomMat2D, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、指定された回転角度45度と座標を基に、リジッド変換行列を計算しています。これにより、元の座標から指定した座標への回転と移動が行われます。

応用例

vector_to_rigid関数は、以下のようなシナリオで特に有用です。

• 画像の位置合わせ
  2Dまたは3D画像間で、回転や平行移動を伴う位置合わせを行う際に使用されます。

• 3Dモデルの回転と移動
  3D空間におけるオブジェクトやカメラの正確な回転と移動を行い、モデルやシーンの調整に使用されます。

• ロボットビジョン
  ロボットアームやカメラシステムで、対象物の正確な位置を計算し、ロボット動作の制御に活用されます。

まとめ

HALCONのvector_to_rigid関数は、回転ベクトルと並進ベクトルを使用してリジッド変換行列を計算し、画像やオブジェクトの回転および平行移動を行うための強力なツールです。この関数により、3D空間でのオブジェクトの位置合わせや、正確な回転・移動操作が可能になり、さまざまな応用が期待できます。