【HALCON】vector_to_similarity 関数について - ベクトルから類似変換行列の計算
2024-09-12
2024-09-12
HALCON
のvector_to_similarity
関数は、2D空間での回転、平行移動、スケーリングを含む類似変換行列(Similarity Transformation Matrix)を計算するための関数です。類似変換は、オブジェクトの形状を維持しながら、位置、角度、サイズを変更するために使用されます。この関数を使うことで、画像やオブジェクトの位置合わせや幾何学的な変換が容易に行えます。
vector_to_similarity 関数の概要
vector_to_similarity
関数は、元の座標と変換後の座標に加え、回転やスケーリングを指定して、類似変換行列を計算します。この類似変換は、画像やオブジェクトの形状を変えずに回転、移動、スケーリングを行う際に役立ちます。
使用方法
基本的な使用方法は以下の通りです。
vector_to_similarity(Row1, Col1, Angle, Scale, Row2, Col2, HomMat2D)
Row1
,Col1
変換前のポイントの行と列座標。Angle
変換時の回転角度(ラジアン単位)。Scale
スケーリング(拡大縮小)係数。Row2
,Col2
変換後のポイントの行と列座標。HomMat2D
計算された類似変換行列を格納する変数。
この関数を使用して、指定された座標やスケーリング、回転に基づき、類似変換行列がHomMat2D
に出力されます。
具体例
以下に、vector_to_similarity
関数を使用して類似変換行列を計算する例を示します。
* 元の座標
Row1 := 100
Col1 := 100
* 変換後の座標、回転角度、スケーリング
Row2 := 200
Col2 := 200
Angle := 0.785 // 45度(ラジアン)
Scale := 1.5 // 拡大率1.5倍
* 類似変換行列を計算
vector_to_similarity(Row1, Col1, Angle, Scale, Row2, Col2, HomMat2D)
* 結果の変換行列を表示
disp_message(WindowHandle, 'Similarity Transformation Matrix: ' + HomMat2D, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
この例では、元の座標から45度の回転と1.5倍のスケーリングを伴う類似変換行列を計算しています。これにより、指定された変換が行われた後の位置やサイズが確定します。
応用例
vector_to_similarity
関数は、以下のようなシナリオで特に有用です。
-
画像の位置合わせと拡大縮小
画像間の回転、平行移動、スケーリングを行い、形状を保ちながら位置合わせを行います。 -
オブジェクトの変形補正
画像内のオブジェクトの角度やサイズを変更して、特定の形状に合わせるために使用します。 -
パターン認識
画像中のパターンや特徴が異なるスケールや角度で見える場合、それらを一致させるために使用します。
まとめ
HALCON
のvector_to_similarity
関数は、回転、平行移動、スケーリングを含む2D類似変換行列を計算し、画像やオブジェクトの位置、角度、サイズの変換を行うための強力なツールです。この関数を使用することで、オブジェクトの形状を保ちながら、さまざまな変換処理を正確に行うことができます。