【HALCON】wait_barrier 関数について - バリア同期の待機

HALCONのwait_barrier関数は、並列処理におけるバリア同期を行うための関数です。この関数を使うことで、複数のスレッドが特定の処理ステージに到達するまで待機し、全スレッドが同時に次の処理を進められるように同期を取ることができます。並列処理の管理や同期を行う場面で便利です。

wait_barrier 関数の概要

wait_barrier関数は、指定されたバリアに対してスレッドが到達するまで待機し、すべてのスレッドがそのバリアに到達すると一斉に次の処理に進みます。このバリア同期は、スレッド間の整合性を保ちながら、同時に特定のタスクを実行させるために使用されます。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

wait_barrier(BarrierHandle)

• BarrierHandle
  バリア同期オブジェクト。バリアオブジェクトは、並列処理内で使用されるスレッド間の同期ポイントです。

この関数を呼び出すと、指定されたバリアに到達するまで、スレッドは待機状態になります。すべてのスレッドがバリアに到達すると、次の処理に進むことができます。

具体例

以下に、wait_barrier関数を使用してスレッドの同期を行う例を示します。

* バリアの作成
create_barrier(4, BarrierHandle)  // 4つのスレッドを同期

* 並列スレッド内での処理
parbegin(ThreadID)
  
  * 各スレッドで行う処理
  process_thread(ThreadID)
  
  * スレッド間の同期を行う
  wait_barrier(BarrierHandle)

parend

この例では、4つのスレッドがcreate_barrierで作成されたバリアに到達するまで待機します。すべてのスレッドがバリアに到達すると、wait_barrier関数が解除され、次の処理に進むことができます。

応用例

wait_barrier関数は、以下のようなシナリオで特に有用です。

• 並列処理の同期
  並列に実行されるスレッドが、特定の処理ステージを完了するまで待機し、全スレッドが揃って次のステージに進む必要がある場合に使用されます。

• 画像処理のステージ分割
  画像処理の各ステージ（例えば、フィルタリング、特徴抽出など）で、全スレッドが同期することで、データの整合性を保ちながら処理を進めることができます。

• マルチスレッドの管理
  複数のスレッドが協調して作業を行う際に、すべてのスレッドが揃うまで待機することで、処理の進行を管理します。

まとめ

HALCONのwait_barrier関数は、並列処理におけるスレッド間の同期を実現するための便利なツールです。スレッド間の進行を統一し、バリアを使って特定のポイントで同期を取ることができるため、マルチスレッド処理においてデータの整合性を保ちながら効率的に処理を進めることが可能です。