概要

AWS Cloud Development Kit(CDK)を使用して、Next.jsアプリケーションのインフラをコード化することで、スケーラブルで効率的なクラウドデプロイメントが可能になります。AWS CDKは、インフラをプログラミング言語で定義し、AWSリソースを簡単にプロビジョニングできるツールです。本記事では、Next.jsをAWS上でデプロイするための基本的な手順を解説します。

AWS CDKの基本構成

AWS CDKを使用してNext.jsをデプロイする際、主に以下のAWSリソースが使用されます:

  • AWS Lambda: 動的なリクエストを処理するためのサーバーレス機能。
  • Amazon CloudFront: グローバルにコンテンツを高速配信するCDN(コンテンツ配信ネットワーク)。
  • Amazon S3: 静的ファイル(画像、JavaScript、CSSなど)の保存および配信。
  • Amazon Fargate: コンテナ化されたアプリケーションのデプロイに使用。

基本的なCDK構成例

import * as cdk from 'aws-cdk-lib';
import { NextjsGlobalFunctions } from 'cdk-nextjs';
class NextjsStack extends cdk.Stack {
  constructor(scope: cdk.Construct, id: string, props?: cdk.StackProps) {
    super(scope, id, props);
    
    new NextjsGlobalFunctions(this, "NextjsApp", {
      healthCheckPath: "/api/health",
      buildContext: process.cwd(),
    });
  }
}
const app = new cdk.App();
new NextjsStack(app, 'NextjsAppStack');

このコードでは、Next.jsアプリケーションをAWS LambdaとCloudFrontを使ってデプロイしています。

コンテナを使ったデプロイメント

Next.jsアプリケーションをコンテナ化し、AWS CDKでデプロイする方法もあります。コンテナ化は、AWS FargateApp Runnerなどのサービスを使用し、スケーラブルなコンテナベースのアプリケーションを構築できます。

Dockerイメージの作成

まず、Dockerfileを作成してNext.jsをコンテナ化します。

FROM node:18-alpine AS base
WORKDIR /app
COPY package*.json ./
RUN npm install
COPY . .
RUN npm run build
EXPOSE 3000
CMD ["npm", "start"]

これにより、Next.jsの依存関係をインストールし、アプリケーションをビルドします。次に、作成したDockerイメージをAmazon ECRにプッシュし、CDKを使用してデプロイします。

AWS CDKを使ったCI/CDの構築

AWS CDKは、CodeBuildCodePipelineと統合して、Next.jsアプリケーションの継続的デプロイメントを自動化できます。以下は、CodeBuildを使用したCI/CDパイプラインの基本的な構成です。

from aws_cdk import core, aws_codebuild as codebuild, aws_s3 as s3
class CicdStack(core.Stack):
    def __init__(self, scope: core.Construct, id: str, kwargs):
        super().__init__(scope, id, kwargs)
        
        bucket = s3.Bucket(self, "NextjsBucket", public_read_access=True)
        project = codebuild.Project(self, "NextjsBuild", 
            source=codebuild.Source.git_hub(repository="your-repo/nextjs-app"),
            environment={"buildImage": codebuild.LinuxBuildImage.STANDARD_5_0},
        )

この例では、Next.jsのソースコードをGitHubから取得し、ビルド後にS3に静的ファイルをデプロイするパイプラインを設定しています。

まとめ

AWS CDKを使用することで、Next.jsアプリケーションをAWSのリソースに自動的にデプロイし、スケーラブルかつ効率的な環境を構築できます。LambdaやFargate、CloudFrontを活用したデプロイメント手法や、CodeBuildによるCI/CDの自動化も可能です。これにより、インフラの管理がコードベースで行え、柔軟かつ再現性の高いデプロイが実現します。