パフォーマンスバジェットの設定とは?

パフォーマンスバジェットとは、アプリケーションが特定のパフォーマンス指標を超えないように設ける目標値のことです。これには、Largest Contentful Paint(LCP)やCumulative Layout Shift(CLS)などのCore Web Vitalsが含まれ、ウェブページの読み込み速度や操作性を改善することを目指します。パフォーマンスバジェットは、特にページが重くなりがちな大規模なプロジェクトや、頻繁に機能追加が行われるアプリケーションにおいて有効です。

パフォーマンスバジェットを設定する理由

パフォーマンスバジェットは、ユーザー体験を維持しながらアプリケーションの成長をコントロールするために役立ちます。新しい機能の追加やコンテンツの増加は、しばしばアプリの読み込み速度を低下させますが、バジェットを設定することで、特定のパフォーマンス基準を超えることを防ぐことができます。 また、バジェットにより、デプロイ時に問題が発生した際にすぐに対応できるため、アプリケーションの品質を保つことができます。

Next.jsでのパフォーマンスバジェットの設定

Next.jsでパフォーマンスバジェットを設定するには、いくつかのツールとアプローチがあります。代表的な手法として、LighthouseやGoogle Analyticsを用いたCore Web Vitalsの監視があります。

  • Lighthouseによるテスト: Next.jsはLighthouseと統合でき、ページの読み込み速度、アクセスパフォーマンス、セキュリティなどの指標をスコア化します。これにより、特定の基準をバジェットとして設定し、CIパイプラインで自動化された監視が可能です。

  • VercelやGitHub Actionsを活用した自動テスト: VercelやGitHub Actionsを利用して、デプロイ時にLighthouseのテストを実行し、指定したパフォーマンス基準を満たさない場合はデプロイをブロックする仕組みを導入できます。

継続的なパフォーマンス監視

パフォーマンスバジェットを設定した後も、アプリケーションのパフォーマンスを継続的に監視することが重要です。以下の方法で、リアルタイムにパフォーマンスを追跡することができます。

  • Core Web Vitalsのモニタリング: Google AnalyticsとNext.jsの統合により、リアルユーザーのデータを使用してCore Web Vitalsを追跡できます。これにより、実際のユーザー体験に基づいたパフォーマンスの問題を特定できます。

  • リアルユーザーモニタリング(RUM): 実際のユーザーがWebページをどう体験しているかを測定し、パフォーマンスのボトルネックを特定します。Lighthouseのようなラボベースのデータだけでなく、現実の使用状況を把握することができます。

まとめ

Next.jsでのパフォーマンスバジェットの設定は、品質を維持しつつ、アプリケーションの成長を管理するための有効な手段です。LighthouseやCI/CDツールを活用し、継続的な監視体制を構築することで、アプリのパフォーマンスを常に最適な状態に保つことができます。