Drizzle ORMのTiDB Serverless接続概要

TiDB Serverlessは、PingCAPが提供するMySQL互換の完全マネージド型サーバーレスデータベースです。クラスタのプロビジョニングが迅速で、使用量ベースの課金モデルを採用しています。Drizzle ORMは、TiDB ServerlessへのHTTP接続をサポートするため、サーバーレスアプリケーションでの柔軟なデータベース操作が可能です。本記事では、Drizzle ORMを利用したTiDB Serverlessへの接続設定と使用方法について詳しく解説します。

TiDB Serverlessとの接続設定手順

ステップ1：パッケージのインストール

まず、TiDB Serverless用の@tidbcloud/serverlessパッケージとDrizzle ORMをインストールします。また、マイグレーション管理にdrizzle-kitを追加します。

npm install drizzle-orm @tidbcloud/serverless
npm install -D drizzle-kit

ステップ2：HTTP接続の初期化

TiDB Serverlessとの接続には、環境変数に設定したTiDBのURLを使います。TIDB_URL環境変数には、TiDB Cloudから提供される接続URLを設定します。

import { drizzle } from 'drizzle-orm/tidb-serverless';
const db = drizzle({ connection: { url: process.env.TIDB_URL } });
const result = await db.select().from('users');

このように、環境変数TIDB_URLからURLを読み込み、HTTP接続を初期化することで、サーバーレス環境でも簡単にデータベース操作が可能です。

既存のTiDBクライアントを利用した接続

TiDB Serverless用の@tidbcloud/serverlessパッケージを利用して生成したクライアントをDrizzle ORMに渡すこともできます。既存の接続インスタンスを再利用する場合に便利です。

import { connect } from '@tidbcloud/serverless';
import { drizzle } from 'drizzle-orm/tidb-serverless';
const client = connect({ url: process.env.TIDB_URL });
const db = drizzle({ client });
const users = await db.select().from('users');

クライアントを使うことで、複数の接続設定や認証情報を簡単に再利用できます。

TiDB ServerlessとDrizzle ORMの活用ポイント

サーバーレス環境でのスケーラビリティ

TiDB ServerlessはMySQL互換のDBaaSで、Drizzle ORMとの連携により、サーバーレス環境でも迅速かつスケーラブルにデータベース操作が可能です。特に、クラウド環境やエッジデプロイメントでの利用に適しています。

HTTPベースの接続の利点

HTTP接続は、サーバーレス環境でのコネクション管理を簡素化し、サーバーやクライアントのリソース消費を抑えられます。リクエスト単位で接続が確立されるため、スケーラブルなデータ処理に適しています。

まとめ

Drizzle ORMとTiDB Serverlessを使用することで、サーバーレス環境でもシンプルかつ効率的にMySQL互換データベースを利用できるようになります。HTTP接続を利用したスケーラブルなデータベース操作が可能で、エッジやクラウド環境に最適なデータベース管理が実現します。サーバーレスアプリケーション開発において、Drizzle ORMとTiDBの組み合わせをぜひ活用してください。