概要
Timer
関数は、Excel VBAでシステムの0時から現在までの経過時間を秒単位で取得する関数です。この関数は、プログラムの実行時間を計測したり、時間に依存する処理を実装する際に利用されます。実行中のコードのパフォーマンスを測定するのにも役立ちます。
構文
Timer
パラメータ
Timer
関数は引数を必要とせず、呼び出すだけで0時からの経過秒数を返します。
戻り値
Timer
関数は、0時から現在の時刻までの経過時間を秒単位の数値で返します。小数点以下の秒数も含まれるため、高精度な時間計測が可能です。
説明
Timer
関数は、1日を0時から秒単位でカウントして現在の経過時間を取得します。この機能を活用することで、実行時間の計測や時間依存のイベント処理が実現可能です。
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0時にリセットされるため、日をまたぐ長時間の計測には向きません。
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戻り値は0時からの秒数なので、24時間で最大86,400秒(24時間×60分×60秒)となります。
使用例
実行時間の計測
Sub MeasureExecutionTime()
Dim startTime As Single
Dim endTime As Single
Dim duration As Single
startTime = Timer ' 開始時間を取得
' 実行したい処理
Application.Wait Now + TimeValue("00:00:02") ' 例として2秒待機
endTime = Timer ' 終了時間を取得
duration = endTime - startTime ' 実行時間を計算
MsgBox "実行時間: " & duration & "秒"
End Sub
この例では、処理の実行時間をTimer
関数で計測し、秒数として表示します。
0時からの経過時間を表示
Sub ShowElapsedTime()
MsgBox "現在の経過時間: " & Timer & " 秒"
End Sub
この例では、現在の時刻が0時からどれだけ経過しているかを秒単位で表示します。
高精度な待機処理を実現
Sub WaitUsingTimer()
Dim start As Single
start = Timer
Do While Timer < start + 5 ' 5秒待機
DoEvents ' 他の処理を実行可能にする
Loop
MsgBox "5秒間待機しました。"
End Sub
Timer
関数を使用して、指定した秒数だけ待機する処理を実装します。
応用例
連続処理のパフォーマンス測定
複数の処理を連続して実行し、それぞれの実行時間を計測して比較する例です。
Sub ComparePerformance()
Dim startTime As Single
Dim endTime As Single
Dim duration1 As Single
Dim duration2 As Single
' 処理1の計測
startTime = Timer
Application.Wait Now + TimeValue("00:00:03") ' 例として3秒待機
endTime = Timer
duration1 = endTime - startTime
' 処理2の計測
startTime = Timer
Application.Wait Now + TimeValue("00:00:05") ' 例として5秒待機
endTime = Timer
duration2 = endTime - startTime
MsgBox "処理1の実行時間: " & duration1 & "秒" & vbCrLf & "処理2の実行時間: " & duration2 & "秒"
End Sub
この例では、2つの処理の実行時間を計測し、それぞれの結果を比較しています。
注意点
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Timer
関数は0時を基点とするため、24時間を超える計測には不向きです。日をまたぐような計測には、日付と時間を含めた計測手法が必要です。 -
Timer
関数はシステム時間に依存するため、システム時間の変更が計測結果に影響する場合があります。正確な計測が必要な場合は、システムの時刻設定を確認してください。 -
0時をまたいで計測する際は、0時リセットの影響を考慮して計算を行う必要があります。
Timer
関数は、簡便に時間の計測やパフォーマンスの確認を行うための便利なツールです。処理の最適化やタイミング依存の制御を行う際に活用してみてください。