【HALCON】gauss_filter 関数について - ガウスフィルタを用いた画像の平滑化

gauss_filter は、HALCONライブラリの中で画像の平滑化に使用される基本的な関数の一つです。この関数は、ガウス関数の離散的な近似を使用して、画像を滑らかに処理するために使用されます。平滑化とは、画像のノイズを減らし、全体を滑らかにする処理のことです。この記事では、gauss_filter の基本的な使い方や機能について解説します。

gauss_filter 関数とは？

gauss_filter 関数は、ガウス関数に基づいて画像を滑らかに処理する関数です。ガウス関数は、通常、正規分布に従った重み付けを行うことで、周囲のピクセルを考慮して画像をぼかす（平滑化する）ために使用されます。この平滑化により、ノイズが減少し、画像がより柔らかく見えるようになります。

関数のシグネチャ

gauss_filter(Image : ImageGauss : Size : )

• Images
  入力オブジェクト。平滑化を行う対象の画像です。
• ImageGauss
  出力オブジェクト。平滑化処理後の画像が格納されます。
• Size
  入力コントロール。フィルタのサイズを指定します。値が大きいほど強力な平滑化が行われます。

フィルタサイズと平滑化効果

gauss_filter 関数は、異なるサイズのフィルタを使用して平滑化を行います。フィルタサイズが大きくなるほど、画像全体の平滑化効果が強くなります。サポートされるフィルタサイズと、それに対応するガウス関数のシグマ値は次の通りです：

• サイズ 3 (シグマ 0.600)
• サイズ 5 (シグマ 1.075)
• サイズ 7 (シグマ 1.550)
• サイズ 9 (シグマ 2.025)
• サイズ 11 (シグマ 2.550)

フィルタサイズが大きいほど、より広範囲のピクセルが考慮されるため、平滑化の効果が高まります。しかし、過度な平滑化は画像のディテールを失う可能性があるため、適切なサイズを選択することが重要です。

使用例

次に、HALCONを使って画像にガウスフィルタを適用する例を示します。

* 画像を読み込む
read_image(Input, 'mreut')

* 画像をガウスフィルタで平滑化する
gauss_filter(Input, ImageGauss, 7)

* 平滑化後の画像を表示する
disp_image(ImageGauss, WindowHandle)

この例では、read_image 関数を使って画像を読み込み、その画像に gauss_filter を適用しています。フィルタサイズには 7 を指定しており、適度な平滑化が行われます。

他のフィルタとの比較

gauss_filter の代替として、いくつかの他のフィルタが存在します。たとえば、binomial_filter は高速に動作しますが、同じフィルタサイズでは gauss_filter ほどの平滑化効果は得られません。用途によって、より適切なフィルタを選択することが重要です。

他の代替フィルタとしては以下のものがあります

• binomial_filter
  高速な平滑化フィルタ
• smooth_image
  さまざまな平滑化手法を提供
• derivate_gauss
  ガウス微分フィルタ
• isotropic_diffusion
  異方性拡散フィルタ

注意点

1. 画像サイズに関する注意
   gauss_filter 関数を使用する際、画像の幅と高さがそれぞれ 64 ピクセル以上である必要があります。これは HALCON がOpenCLデバイス上で処理を行う際に求められる最小限のサイズです。

2. ドメインが縮小された画像に対するフィルタの適用
   ドメイン（画像の一部領域）が縮小された画像にフィルタを適用すると、予期しない結果を返す場合があります。これを避けるために、フィルタを適用する前に画像のドメインが適切であることを確認してください。

3. マルチスレッド処理対応
   gauss_filter は、OpenCL対応のデバイスを使用することで、並列処理をサポートしています。また、マルチチャンネル画像や複数の画像を処理する場合にも自動的に並列化されます。

まとめ

HALCON の gauss_filter 関数は、画像の平滑化を効率的に行うための基本的なツールです。ガウスフィルタは、画像のノイズを低減し、柔らかく自然な見た目にするのに役立ちます。用途に応じてフィルタサイズを調整し、他のフィルタとの比較を行いながら、最適な画像処理を実現しましょう。