【HALCON】hom_mat2d_rotate関数ガイド - 2Dホモグラフィ変換による回転処理
2024-09-11
2024-09-11
HALCON
のhom_mat2d_rotate
関数は、2Dホモグラフィ変換を用いて画像やオブジェクトを回転させるための関数です。回転中心や回転角度を指定することで、柔軟にオブジェクトや画像を任意の角度で回転させることができます。製造業における位置合わせや、画像解析でのパターン認識に役立つ幾何学的変換処理を提供します。
hom_mat2d_rotate関数の概要
hom_mat2d_rotate
関数は、指定した角度で2Dホモグラフィ変換を使ってオブジェクトや画像を回転させます。この関数は、回転の中心を任意に設定でき、回転角度も自由に指定可能です。これにより、オブジェクトや画像の位置や方向を調整する際に役立ちます。
基本構文
hom_mat2d_rotate(HomMat2D, Angle, Px, Py, HomMat2DRotate)
HomMat2D
元となる2Dホモグラフィ変換行列。Angle
回転角度(ラジアン単位)。正の値は反時計回りの回転、負の値は時計回りの回転を指定します。Px
回転中心のx座標。Py
回転中心のy座標。HomMat2DRotate
回転後の2Dホモグラフィ変換行列が格納される出力。
この関数は、与えられた角度と回転中心に基づいて、指定された2Dホモグラフィ変換行列に回転を追加した新しい変換行列を生成します。
使用例
次に、hom_mat2d_rotate
関数を使って、画像を特定の角度で回転させる例を示します。
* 入力画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image')
* 単位行列(初期変換行列)の作成
hom_mat2d_identity(HomMat2D)
* 画像を中心点(100, 100)を基準に45度回転
hom_mat2d_rotate(HomMat2D, rad(45), 100, 100, HomMat2DRotate)
* 変換行列を画像に適用
affine_trans_image(Image, ImageRotated, HomMat2DRotate, 'constant', 'false')
* 結果画像の表示
dev_open_window(0, 0, 512, 512, 'black', WindowID)
disp_image(ImageRotated, WindowID)
この例では、画像の中心点(100, 100)を基準に、45度反時計回りに画像を回転させています。hom_mat2d_rotate
関数で生成された変換行列をaffine_trans_image
関数に適用して、回転後の画像を表示します。
実際の応用
画像やオブジェクトの位置合わせ
hom_mat2d_rotate
関数は、製造ラインでの位置合わせに非常に役立ちます。製品の向きを一定に保つ必要がある場合や、異なる角度でのオブジェクトを正確に揃える必要がある場面で、回転処理を簡単に適用できます。
パターン認識とテンプレートマッチング
テンプレートマッチングやパターン認識において、異なる方向に配置されたオブジェクトを識別する際に、この関数を使用して回転させた状態で比較できます。特定の角度で回転させてオブジェクトを標準的な位置に揃え、精度の高いパターン認識を実現します。
画像処理の前処理
hom_mat2d_rotate
関数は、画像処理の前段階での調整にも効果的です。たとえば、画像が特定の角度で撮影された場合、それを回転させて標準的な方向に整えた上で、後続の処理(エッジ検出やフィルタリング)を実行することができます。
hom_mat2d_rotateの応用例
次の例では、画像をスケーリングと回転を組み合わせて変換しています。
* 入力画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image')
* 単位行列(初期変換行列)の作成
hom_mat2d_identity(HomMat2D)
* 画像をスケーリングと回転で変換
hom_mat2d_scale(HomMat2D, 1.5, 1.5, 0, 0, HomMat2DScale)
hom_mat2d_rotate(HomMat2DScale, rad(30), 50, 50, HomMat2DTransform)
* 変換行列を画像に適用
affine_trans_image(Image, ImageTransformed, HomMat2DTransform, 'constant', 'false')
* 結果画像の表示
disp_image(ImageTransformed, WindowID)
この例では、画像を1.5倍にスケーリングした後、30度回転させています。hom_mat2d_rotate
を用いて回転を適用し、複合変換を実行しています。
まとめ
HALCON
のhom_mat2d_rotate
関数は、画像やオブジェクトを特定の角度で回転させるための便利なツールです。回転中心や回転角度を自由に設定できるため、位置合わせや方向調整、パターン認識、画像の前処理など、さまざまな場面で応用できます。製造業や画像解析分野で、精度の高い回転操作が求められる場面で特に有効です。