【HALCON】hom_mat2d_translate 関数について - 2Dアフィン変換行列への平行移動操作

HALCONのhom_mat2d_translate関数は、2Dアフィン変換行列に平行移動操作を追加し、オブジェクトや画像をx軸およびy軸方向に移動させるために使用されます。この関数は、画像処理やパターン認識において、特定の位置にオブジェクトを移動させる際に非常に重要です。

hom_mat2d_translate 関数の概要

hom_mat2d_translate関数は、2Dアフィン変換行列に対して平行移動操作を加えるための関数です。これにより、指定したx軸およびy軸方向に画像や図形を移動させることが可能です。平行移動は、画像の幾何学的変換の中でも最も基本的な操作の一つであり、他のアフィン変換（回転、スケーリング、傾斜）と組み合わせて使用することがよくあります。

使用方法

以下は、hom_mat2d_translate関数の基本的な使用方法です。

hom_mat2d_translate(HomMat2D, Tx, Ty, HomMat2DTranslate)

• HomMat2D
  操作の対象となる元の2Dアフィン変換行列。
• Tx
  x軸方向への平行移動量を指定する実数値。
• Ty
  y軸方向への平行移動量を指定する実数値。
• HomMat2DTranslate
  平行移動操作が追加された新しい2Dアフィン変換行列。

具体例

次に、hom_mat2d_translate関数を使ってx軸とy軸方向にオブジェクトを移動させる簡単な例を示します。

* 初期アフィン変換行列の作成
hom_mat2d_identity(HomMat2D)

* x軸方向に50、y軸方向に30の平行移動を追加
hom_mat2d_translate(HomMat2D, 50, 30, HomMat2DTranslate)

* 新しい変換行列を表示
disp_message(WindowHandle, 'Translated Matrix: ' + HomMat2DTranslate, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、最初に初期の2Dアフィン変換行列を作成し、その後x軸方向に50、y軸方向に30の移動を加えています。結果として、新しい2Dアフィン変換行列が生成され、指定された方向にオブジェクトが平行移動されます。

応用例

hom_mat2d_translate関数は、次のような応用シナリオでよく使用されます。

• オブジェクトの位置合わせ
  テンプレートマッチングなどの手法で取得したオブジェクトの座標に基づいて、正確な位置にオブジェクトを移動させる場合に有効です。

• 画像中のオブジェクトの再配置
  複数の画像やオブジェクトを特定の場所に配置する際、指定した座標に平行移動を適用して配置を整えます。

• アニメーションやシミュレーション
  オブジェクトを連続的に移動させるための基礎的な操作として、平行移動を使用してアニメーション効果を実現できます。

まとめ

HALCONのhom_mat2d_translate関数は、2Dアフィン変換行列に平行移動を追加し、指定されたx軸およびy軸方向にオブジェクトや画像を移動させるための重要なツールです。画像処理の多くのシナリオで基本的かつ汎用性の高い操作として活用されています。