【HALCON】measure_pairs 関数について - ペアラインの計測

HALCONのmeasure_pairs関数は、画像内でエッジのペアを検出し、それらの間隔や特徴を精密に計測するためのツールです。これにより、製品の寸法検査や幾何学的な形状の分析が可能になり、工業用の画像処理や検査システムで広く利用されます。エッジ検出の精度が非常に高く、物体間の距離や寸法を正確に測定することができます。

measure_pairs 関数の概要

measure_pairs関数は、画像内で指定した方向や範囲に基づいてエッジを検出し、検出されたエッジペアの間隔や位置を計測します。ペアとなるエッジは、一般的に2つの対になるエッジ（例えば、物体の左右の境界）を指し、これらのエッジの距離や位置情報を元に正確な計測が行われます。

この機能は、製造ラインでの寸法検査や、製品の精密な測定に使用され、ラインの品質管理や機械部品の検査で非常に有効です。

使用方法

基本的なmeasure_pairs関数の使用方法は以下の通りです。

measure_pairs(Image, MeasureHandle, Sigma, Threshold, Transition, PairWidth, PairDistance)

• Image
  対象となる画像。
• MeasureHandle
  計測用のハンドル（gen_measure_rectangle2などで生成）。
• Sigma
  エッジ検出で使用するガウスフィルタの標準偏差。
• Threshold
  エッジ検出の閾値。
• Transition
  検出するエッジの極性（‘all’, ‘positive’, ‘negative’）。
• PairWidth
  ペアエッジ間の幅（出力）。
• PairDistance
  エッジペア間の距離（出力）。

具体例

以下に、measure_pairs関数を使用して、画像内のエッジペアを検出し、間隔を計測する例を示します。

* 画像を読み込む
read_image(Image, 'example_image.png')

* 計測用の領域を定義
gen_measure_rectangle2(100, 100, 0, 50, 10, ImageWidth, ImageHeight, 'nearest_neighbor', MeasureHandle)

* エッジペアの計測を実行
Sigma := 1.0
Threshold := 30
Transition := 'all'
measure_pairs(Image, MeasureHandle, Sigma, Threshold, Transition, PairWidth, PairDistance)

* 結果を表示
disp_message(WindowHandle, 'Pair Width: ' + PairWidth, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
disp_message(WindowHandle, 'Pair Distance: ' + PairDistance, 'window', 24, 12, 'black', 'true')

この例では、example_image.pngという画像に対してmeasure_pairs関数を使用し、エッジペア間の幅PairWidthと距離PairDistanceを計測しています。計測された結果はウィンドウに表示され、製品の寸法検査などに応用できます。

応用例

measure_pairs関数は、以下のような応用シーンで利用されます。

• 製品の寸法検査
  工業製品のエッジ間の正確な距離を測定し、規定のサイズに合致しているかを検査します。

• 幾何学的形状の解析
  複雑な形状やライン間の距離を測定し、幾何学的な解析を行います。特に、設計通りに製造されているかの確認に使用されます。

• 品質管理
  生産ラインでの部品や製品のエッジ検出を用いた検査において、製品の形状や寸法を管理します。

まとめ

HALCONのmeasure_pairs関数は、画像内のエッジペアを検出し、その間隔や特徴を計測するための強力なツールです。この関数を使用することで、工業製品の精密な寸法検査や幾何学的な形状解析を効率的に行うことが可能です。エッジ検出の精度が高く、製造や品質管理の現場で広く利用されています。